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生涯教育システムの目的
本会の生涯教育システムは、診療放射線技師が生涯にわたり継続的に学び、専門職として必要な知識・技術・倫理観を高めることで、安全で質の高い医療を国民に提供できる人材を育成することを目的としています。
医療技術の高度化や医療環境の変化に対応するためには、資格取得後も継続した学習と自己研鑽が不可欠です。本システムは、会員一人ひとりが主体的に学び、自らの到達目標を明確にしながら成長できる仕組みとして構築されています。
また、診療放射線技師養成課程だけでは十分に補いきれない医療安全、倫理、チーム医療など、医療人として必要な知識や能力を継続的に習得し、国民から信頼される診療放射線技師の育成を目指しています。
さらに、本システムではクリニカルラダー方式を導入し、日常業務における習熟度や成長過程を可視化することで、段階的かつ継続的な能力向上を支援しています。これにより、診療放射線技師の資質向上と職業の発展を図り、国民の健康増進と生活の質の向上に貢献することを目的としています。
生涯教育システムの概要
日本診療放射線技師会では、会員が日常業務における知識の習熟度や到達目標を把握できるよう、クリニカルラダー方式を取り入れた新しい生涯教育システムを構築しました。
本会は「知識的ラダー」を担い、知識レベルや継続学習を全国共通の基準で評価します。各施設で行う「技能的ラダー」とあわせて活用することで、診療放射線技師としての総合的な成長を支援します。
本システムは、「クリニカルラダー」と「マネジメントラダー」で構成されています。レベル1では基礎知識の習得、レベル2では標準的医療を担うジェネラリストとしての知識習得を目指します。レベル3以降は、専門性を活かした指導者や管理者としての役割を担い、レベル4では高度な専門性とチーム医療への貢献、レベル5では教育・研究や医療経営への参画など、社会に貢献できる診療放射線技師を目指します。
なお、表1に生涯教育システム全体の概要を示しています。
表1 生涯教育システム全体の概要
| クリニカルラダー | 診療放射線技師(RT)としてのキャリア | マネジメントラダー | 管理者としてのキャリア |
|---|---|---|---|
| レベル5 教育・人材育成・研究 | 幅広い知識をベースに、専門の知識・技術を活かし、創造性を発揮して、教育、研究を通して人材育成ができる。 | レベル5 (副)部長 | 医療経営に参画し、社会に貢献できる(立場になる) |
| レベル4 領域横断的学習 | "広く深く"考えるπ型人材で、複数の卓越した知識・技術を活かして専門性が発揮できる。JARTが認める専門資格・認定資格を2つ以上有する。 | レベル4 (副)技師長・課長 | 部門管理をした上で他部署との連携でチーム医療を実践できる |
| レベル3 領域横断的学習 | "広く深く"考えるT型人材で、知識・技術を活かし日常業務の質向上、後進の指導等ができる。本会が認定する認定資格を2つ以上有する。 | レベル3 (係長・主任) | 部署・部門の管理ができる |
| レベル2 領域横断的学習 | ジェネラリストとして基礎学習した者は、診療放射線技師(RT)としてのキャリア(クリニカルラダー)または管理者としてのキャリア(マネジメントラダー)へ進むことができます。 放射線診療における基礎知識の幅を広げ、科学的根拠に基づく医療の実践を行い、日々進歩する標準医療を担保できる | ||
| レベル1 基礎学習 | 日常の放射線診療に必要な基礎知識を身につけ、医療安全を担保できるように学ぶ | ||
| レベル0 | 1年目 | ||
表2 現在の生涯教育システムとの整合性
| レベル5 | 管理職 研究・教育 radiologist assistant等 | クリニカルラダー 研究・教育 | マネジメントラダー 管理職(部長・技師長) |
|---|---|---|---|
| レベル4 (スペシャリスト) | 就職10~20 年目程度(認定技師・副技師長) JARTがめざす専門診療放射線技師 | クリニカルラダー(上級) | マネジメントラダー管理職 (技師長・副技師長) |
| レベル3 (スペシャリスト) | 就職5~10 年目程度(認定技師・主任) | クリニカルラダー(上中級) | マネジメントラダー管理職(主任) |
| レベル2 (ジェネラリスト) | 就職5年目程度 | クリニカルラダー(中級) | |
| レベル1 (新人教育) | 就職1~2年目程度 | クリニカルラダー(初級) | |
| レベル0 | 就職1年目 | ||
各レベル認定の仕組み
各レベルは下記のように認定されます。
表3 各レベル認定の仕組み
| ラダー区分 | 認定条件 |
|---|---|
| クリニカルラダー レベル1 | ラダー項目に対応したセミナー、所定のe-ラーニングコンテンツをすべて受講し、Web試験に合格することでレベル認定されます。 |
| クリニカルラダー レベル2 | クリニカルラダー レベル1が認定された上で、5年の経験年数に加え、所定のe-ラーニングコンテンツをすべて受講し、Web試験に合格することでレベル認定されます。 |
| クリニカルラダー レベル3 | クリニカルラダー レベル2が認定され、JARTの認定資格2つ以上取得し、所定のe-ラーニングコンテンツ8科目以上受講し、Web試験に合格することでレベル認定されます。 |
| クリニカルラダー レベル4 | クリニカルラダー レベル3が認定され、JARTが認める共同認定資格2つ以上取得し、所定のe-ラーニングコンテンツを受講し、Web試験に合格することでレベル認定されます。 ※ 現在、科目を検討中 |
| クリニカルラダー レベル5 | クリニカルラダー レベル4が認定され、査読のある和文原著論文2編もしくは、英文原著論文1編もしくは、放射線技術学系、医学系、保健学系の博士の学位を取得しているとレベル認定されます。 |
| マネジメントラダー レベル3 | クリニカルラダー レベル2以上が認定され、所定のe-ラーニングコンテンツを受講完了し、所定の研修を受講することでレベル認定されます。 |
| マネジメントラダー レベル4 | マネジメントラダー レベル3が認定され、所定のe-ラーニングコンテンツを受講完了し、所定の研修を受講することでレベル認定されます。 |
| マネジメントラダー レベル5 | マネジメントラダー レベル4が認定され、所定のe-ラーニングコンテンツを受講完了し、所定の研修を受講することでレベル認定されます。 |
各レベルを維持する仕組み
継続して学習する仕組みとして、クリニカルラダーには研修カウント、マネジメントラダーにはマネジメントカウントを使用します。
表4 各レベルを維持する仕組み
| ラダー区分 | 維持条件 |
|---|---|
| クリニカルラダー | 認定されたレベルを維持するためには、1年間に20カウントの研修カウントを必要とします。 レベルを取得した翌年度4月1日を始期とし、毎年度3月31日に確認、不足している場合は、確認後の翌月からレベルがダウンします。ダウンされた場合は、改めて目的のラダーに向けて学習されてください。 |
| マネジメントラダー | 認定されたレベルを維持するためには、1年間に10カウントのマネジメントカウントを必要とします。 レベルを取得した翌年度4月1日を始期とし、毎年度3月31日に確認、不足している場合は、確認後の翌月からレベルがダウンします。ダウンされた場合は、改めて目的のラダーに向けて学習されてください。 |
カウントの定義
- 学術カウント:セミナー受講、学術大会や学会等の参加、発表、座長
- 研修カウント:クリニカルラダー維持
- セミナー受講、学術大会や学会等への参加
- 関係団体から申請され承認を受けたセミナー受講
- マネジメントカウント:マネジメントラダー維持
- 本会主催のマネジメントセミナー受講
- 関係団体から申請され承認を受けたマネジメントセミナー受講
生涯教育システムにおける「研修カウント」は、該当するセミナー1時間の学習につき1カウントとなります。なお、クリニカルラダーのe-ラーニング等は、表6をご参照ください。マネジメントラダーのe-ラーニングは、「マネジメントカウント」として2カウント、webによるグループ研修は8カウントになります。また、クリニカルラダー維持として使用できる「研修カウント」も付与されます。詳細は表6をご参照ください。
表5 クリニカルラダー維持に必要な研修カウント
| セミナー・学会名等 | 分類 | 付与単位 | 学術カウント | 研修カウント |
|---|---|---|---|---|
| CLv1 | e-ラーニング | 1時間 | 1 | 1 |
| CLv2、CLv3、CLv4 | e-ラーニング | 1科目 | 6 | 6 |
| JART主催セミナー等 | — | 1時間 | 1 | 1 |
| 日本診療放射線技師学術大会 | 研究発表 座長 参加 | 1回につき 1回につき 1時間につき | 45 15 1 | なし なし 1 |
| JARTが認定した国際学会(ISRRT、AACRT、EACRT) | 研究発表 座長 参加 | 1回につき 1回につき 1時間につき | 90 30 2 | なし なし 2 |
| JARTが承認した他団体のセミナー・研修会等 (事前に申請があったものに限る) | 参加 | 1時間につき | 1 | 1 |
表6 マネジメントラダー維持に必要な研修カウント
| セミナー等 | 分類 | 付与単位 | マネジメントカウント (研修カウントとしても付与) | 学術カウント | 研修カウント |
|---|---|---|---|---|---|
| マネジメントラダー | e-ラーニング | 1時間 | 2 | 1 | 1 |
| マネジメントラダー | web集合研修 | 1時間 | 8 | 1 | 1 |
| 日本診療放射線技師会が承認するマネジメント研修会 (事前に申請があったものに限る) | 参加 | 1時間 | 2 | 1 | 1 |
| 監督管理の実践:マネジメントラダー項目における レポート提出 | レポート | 1編 | 10 | なし | なし |
レベルを確認するしくみ
ご自身のクリニカルラダー、マネジメントラダーの状況は、会員情報システム(JARTIS)の学習サポートの中にある「ラダー情報確認」から確認することができます。
シラバス
クリニカルラダー、マネジメントラダーの各レベルのシラバスについては随時更新いたします。
| クリニカルラダー レベル1 | クリニカルラダー レベル2 | クリニカルラダー レベル3 | クリニカルラダー レベル4 | クリニカルラダー レベル5 |
|---|---|---|---|---|
| 感染対策 | エックス線撮影 | エックス線撮影 | 作成中 | 作成中 |
| エチケット・マナー | X線CT検査 | X線CT検査 | 作成中 | 作成中 |
| 医療コミュニケーション | 消化管撮影 | 消化管撮影 | 作成中 | |
| 被ばく低減 | 乳房撮影 | 乳房撮影 | 作成中 | |
| 医療安全学 | 血管造影・IVR | 血管造影・IVR | 作成中 | |
| 救急医療学 | MRI検査 | MRI検査 | 作成中 | |
| 看護学 | 核医学検査 | 核医学検査 | 作成中 | |
| 医療社会倫理学 | 放射線治療 | 放射線治療 | 作成中 | |
| 自己教育・研究支援セミナー | 超音波検査 | 検査説明 | 作成中 | |
| 研究倫理指針 | 眼底カメラ検査 | 予防医療 | ||
| 骨塩定量 | 骨塩定量 | |||
| 予防医療 | 予防医療(検討中) |
カウントの付与
新生涯教育システムで各レベルの維持に使用するカウントは、講習会、セミナー、学術大会等への参加実績に基づき付与される研修カウント及び、マネジメント関連の講習会等の実績に基づき付与されるマネジメントカウントです。
研修カウント
研修カウントは診療放射線技師の生涯教育におけるクリニカルラダーのe-ラーニングの受講修了および、各委員会・分科会等が主催するセミナー、認定資格を取得するためのe-ラーニング(認定講習会)などの受講、日本診療放射線技師学術大会への参加などにより得られるカウントです。ラダーのe-ラーニングを除き、いずれも、1時間1カウントとして算定し付与します。
マネジメントカウント
マネジメントカウントは、表6により付与されます。マネジメントに関連するセミナー等(e-ラーニング含む)に参加した場合は、マネジメントカウントとともに研修カウントも付与されます。
著述カウント
新生涯教育システムへの移行に伴い、2022年度より著述カウントは廃止することとしました。
ただし、これまでに取得したカウント、記録が取り消されることはありません。
今後も著書や学術論文の実績を会員情報システムへ申請いただくことはできます。
自己の記録としてご活用いただきたいと考えています。
学位カウント
新生涯教育システムへの移行に伴い、2022年度より学位カウントは廃止することとしました。
ただし、これまでに取得したカウント及び技師格称号が取り消されることはありません。
社会活動カウント
社会活動は日本診療放射線技師会が実施する調査事業への協力や診療放射線技師の専門性を生かした公益事業を指しており、社会活動カウントはこれらの事業に参加もしくは協力した者に対して付与されます。なお、平成28年度から社会活動カウントについては生涯学習から切り離して運用することになりました。

